シニア・マーケットに力を入れる企業

2004年11月01日
発行:販促会議
自己実現欲の高いシニア層が昔の夢をどんどん叶えていく
シニア・マーケットに力を入れる企業
シニア・マーケットに力を入れる企業
約4000人の登録演奏家・指導者を有し、生演奏隊の派遣等を手掛けているエルパ。最近では、受講者の自宅で楽器演奏を教える家庭教師の派遣事業が好調だ。

もともとシニアに限ったサービスではないが、この層の利用者が全体の3割程度にまで伸びているという。音楽といえば、趣味の中でナンバーワンのジャンルだ。子供の習い事としてもピアノは相変わらず水泳と共に首位を争っている。(リビング新聞調べ)

しかし「親が申し込んで子が通う音楽教室」というこれまでの概念はシニア層による利用がシェアを伸ばしつつある中で、次第に崩れはじめてきた。高度成長期、趣味を楽しむ時間もなかった世代。 60年代〜70年代の音楽が若者文化として根ずいた時代を築いた人たちが、時間とお金にゆとりのできた今、改めて音楽を楽しもうとしている。しかも単なる憧れで終わっていた「楽器演奏」に、本格的に取り組んでいるのだ。

エルパ代表取締役の渡辺悠子氏は、シニア世代を「まじめで向上心が強く、自己実現欲が高い」と分析する。チャレンジ精神が豊富で何か始めると形になるまで辞めないという熱心さが本格的な楽器レッスンに向かわせている、とみている。特に「習いに行きたいが足が悪くて・・・」など様々な事情を抱えているシニア層にとって、音楽教師が家に来てくれるというのは願ってもないこと。エルパでは「いい音楽を低価格で楽しんでもらう」という点を追求している。 「バブルのころは高級市場として出張生演奏などがもてはやされた。その時のイメージで“音楽は贅沢なもの”と思われている。 だからこそ、積極的なプロモーションが必要」(渡辺氏)

同社は今年初めて「敬老の日」(9月20日)をフックに、贈答用の音楽レッスン券を販売した。子どもが 料金を支払うと、両親にチケットが届き、自宅で楽器のレッスンが受けられるサービスだ。受講者が1人の場合、45分のレッスン10回で3万1500円。2人の場合のプランも用意した。パブリシティーと自社HPのみの告知で9月1日から20日間、首都圏で販売したが50枚以上を売上げ、反響は上々だったという。 10回コースで好きな曲1曲の演奏をマスターすることも可能。専門講師と相談しながら好きな時間に自分のペースで、自分なりの目標でレッスンできるのも家庭教師ならではの魅力。希望者は10回レッスン後も入会金なし・講習料のみで継続ができるとあって、早くも希望者が出始めている。

需要が拡大したもう一つのポイントは、シニア層における「パソコンの普及」だと、渡辺氏は続ける。同社ではレッスン予約がネット上でできるのが、今シニア層の10人に1人はネットから申し込むという。

また、ギフト券を贈られたシニア世代が、今度は子や孫の誕生会、七五三などのイベントに生演奏を 派遣依頼するなど“お返しギフト”としての効果も出てくるのではないかと、渡辺氏。新たな市場拡大 にも期待を寄せている。子や孫のためには財布のひももゆるくなり、自ら良いと思ったものは積極的に 他人にも薦める傾向があるシニア世代。ギフトという切り口で家族、友人へと音楽文化が広がっていく。歓迎すべき方向である。

エルパが主に活動拠点としている都内では、総人口1200万人中65歳以上は300万人。そのうち音楽を 習うであろうとみられる74歳以下の世代は約150万人だ。同社ではまだまだ潜在需要があるとして、 ゆとりあるシニアライフと心の満足を軸に、積極的にプロモーション活動をしていく予定だ。